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成功の味を覚える

今日は久しぶりに京都のGRさんのところで覆面調査の会議です。
Oさんは1泊2日で東京の副会長の本部で最終調整の打ち合わせに出ます。
グランパはPさんを連れて朝から条件交渉になります。
出来れば6時には終わって茨木の突貫娘に握手に行きたいのです。
今日はこども英語保育所のオープン初日なのです。


「GRさんが思ったより譲歩してきましたね?」
会議の後の電車の中でPさんが不思議そうに尋ねます。
「今月は独自で覆面調査をしたと言ってましたね。かなりトラブルが出たようです。こちらはR職会員の案件は順調です。GRさんは頭のいい人ですよ。互いの役割を認識いただいたようです」
「手切れになるかと心配していたんです」
「こちらが力をつけてきたので、逆にそれはありません。ただ相手が専務のような人でしたら危ないですけどね。今度のリゾートホテルの案件は面白そうです」
「でも何だか旅行案件をもじられたみたいですけど」
「いや、こちらの会社じゃあれだけの大手をまとめられません。それがGRさんの力です」
もう窓の外は暗くなっています。Pさんはこのまま加古川まで乗ります。
グランパは駅前で花束を買ってマンションに続く道を歩きます。
まだこども英語保育所の窓は灯りが点いています。
ドアを開けると、突貫娘が飛びついてきます。
「おめでとう!」
「窓から見えていたよ」
「22人になったってね」
朝、メールをくれていたのです。
子供はすっかり帰ったようで、テーブルにGさんと突貫ねいさんがワインのボトルを前にかけています。
「私がいないほうがよかったみたいよ」
突貫ねいさんに腕を抓まれます。
Gさんの奥さんと娘さんと先生の外人さんがオードブルとワイングラスを運んできます。
「ビラまきをしていたのですっかり親御さんとは馴染になって同窓会のような1日でしたよ」
Gさんの奥さんがうれしそうです。
「ボス、今回は徳俵にどっかりと足がかかりました」
「そうか、その時の気持ちを大切にな」


成功の味を覚える、それって大事なのです。
成功の味を覚えていたら、どんなに苦しい時も耐えれます。




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次の体制を考える

Uさんは今日は朝から新幹線で福岡にシュフフリ3号さんと契約に出かけています。
いよいよ福岡会員センターが設立されます。
Uさんの主人は同じ新幹線で佐賀の歯医者の仕事で1泊2日のようです。
プーちゃんとFさんの娘さんは2人で渥美半島の田舎暮らしの取材です。
どうも彼女にも田舎暮らしを担当させるようです。


「何してるんですか?」
Gさんが部屋を覗いてきました。
彼はOさんの会社ではどんと構えて机に張り付いている唯一の大黒柱です。
「いや、全体の会社を見直してみようとね」
いっちょかみ娘が気を使ってポットからコーヒーを入れてくれます。
「最近Oさん考え事をしてるようなのです」
「やはり分かるかな」
「ボスには相談してるんですね?」
「ああ、だがまだはっきり言える時ではないんだな」
いつの間にかいっちょかみ娘の椅子が隣に来ています。
「Gさんは今の会社どう思う?」
「昔と違って安心感がありますね。好きですよ。昔はOさんが今月は給料を3日ほどずらせんかなあって言われたときは女房の顔がちらつきましたからね」
「へえ、そんなときあったんですね」
いっちょかみ娘が感心しています。
グランパの創業の頃は今月で解散かといつもつぶやいていましたよ。
「今は毎晩こども英語保育所の話で女房と盛り上がっています。最近は晩御飯を突貫娘が一緒に食べることも多いですよ。こういう生活って張りがあっていいですよ」
「Oさんが求めているものは・・・」
と言いかけて口をつむぐグランパです。
「Pさんは?」
「今日は我が部のビデオを持って加古川に出かけましたよ」
「彼も何か見つけたようですね」
「なんでも屋と言われて気にしていましたからね」
GさんもPさんが見えてきたようです。


だがOさんの代りに柱になれるのはやはりUさんしかいないようです。
GさんとPさんは金と銀です。
いっちょかみ娘はまだヒョコから成りあがった槍ですかね。
早く次の体制を定めないといけません。





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上昇気流 

先生のお供をして朝からAさんの銀行に融資の契約に出かけました。
事前の事前を経て24億のプロジェクト長期融資です。
帰り梁山泊まで車で送っていただきましたが、その中で売り物件を更に3物件増やす話をまとめました。
少しずつ介護付き病院の規模が大きくなってきているのです。


今日は昼はOさんと洋風居酒屋バルでランチです。
「副会長の会社の最近の動向を調べましたよ」
午前中に元R社のSOさんのメールが流れてきました。
「彼の協会ですでに5社上場会社ができていますが、彼はそういう商品開発の責任者のようですね。母体は大家業の連盟みたいですね。R社時代に知り合いましたが、前の会社で共同事業をしましたね」
「あれから大阪に来られていたのでホテルで2時間ほど話しました」
Oさんの目の色が最近変わってきています。
「すでに駐車場ドットコムの資料は渡していますが、前回は会社について聞かれました」
「向こうもかなり調べていると思いますね。今回ボスに言われてシステムに仕事を集約するというのは大賛成だと言われています。収益性の問題もありますが、やはりソフトをしっかり押さえていないとこの業種は難しいでしょうね。現場の営業では淘汰されてしまう」
「そろそろ具体的な条件が出てきているのでは?」
「ええ」
と言って分厚いシステム手帳を見ます。
「資本金5000万の増資と東京に本社を移すこと」
これはグランパの会社の時も同じような話から入りました。
東京本社は段階的にということで支社を設立しました。資本金は受けました。
「次は公認会計士を入れるでしょうね。それで株式上場の準備に入る。営業はこの連盟が受け皿になるので自然に売り上げが伸びます」
「その通りです。それでいいんですか?」
「その答えはグランパからは言えません」
「そうでしたね」
「でも起業家だから羽ばたきたいですね」
でも色々なものを失います。会社が自分のものではないと感じます。社員はいつの間にかそばにいなくなっていました。
今のグランパの年齢でしたら小さくてもみんなと一緒でいたいです。
「せめて飛びたてる準備はできますよ」
こういう風は瞬間に吹いてあっという間に大空に消えてしまうものです。


グランンパの時代はベンチャーバブルと呼ばれていた時代でした。
ちょっと背伸びをすれば次の世界の仲間に入れる時代でした。
とくに会社の仕組みを知っていたグランパにとってその隙間が危険で魅力があったものです。




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ニーズは新規事業の卵です

ホーム玉ねぎをすべて引き抜いて、朝のサラダにしました。
その後に、少し大きくなりすぎたスナップエンドウの苗を植え付けます。
昨日は夕方Fさんにインドのねいちゃんの店の中を見せてもらいました。
どうしても現場を見ていないと心配なのです。


「どうです物産市の方は?」
物産市に通い続けているPさんに声をかけます。
「昨日で野菜市の実験は済みました。今日1日休みで、明日から正常運営になります」
いっちょかみ娘が気を使って窓際のテーブルにコーヒーを運んでくれます。
レジャービルの建物のホームページのアップが済んだようで全員に穏やかな空気が流れています。
「いっちょかみ娘も参加してくれないか?」
珍しいPさんの要請です。 
「売り上げの方は商品の補給が問題でしたが、十分利益が出る内容です。シニアNPOの初めての事業ということで新聞やテレビでも報道されましたから」
「それはよかったね」
「2階の海産物市もオープンの予定が早まりそうですよ。野菜に比べて参加業者がいまいちでしたが、この報道で急に増えました。彼女は泊りで今日は説明会をしてます。それで面白いことを考えましたボス聞いてください」
テーブルに鞄から分厚いファイルを出してきます。{/fashion_trank/}
「半農半xの人達や農家あの若い人達と親しくなって、色々とITのことを聞かれてのですが、ネット販売を始めたが効果が出ないというのが多かった」
「そんなに簡単なものやないよ」
専門のいっちょかみ娘が口を挟みます。
「だから何とかしてあげたいと」
「そのきっかけが案外新規事業の始まりのサインですね。昔色々な会社に新規事業の講演を頼まれたときにそのことを話してましたね。頭の中で新しいものを作ろうとしても難しい。目の前にあるニーズから入るのが成功の秘訣です」
いつの間にかスタッフがノートを持って集まってきます。
「物産市のネット販売をと考えてみたのです」
紙に書かれたデザインを広げて説明します。ずいぶん時間をかけているようです。
「前の会社でネット販売の仕組みを作っていましたよ」
「へえ、見せてください!」
「残念ながらネットで買う時代になっていなかったのでお蔵入りしましたね。時代にマッチするというのは難しいものなんです」
「サイトを作りたいので手伝ってください!」
「私もいっちょかませて!」
そういうことで3人でポータルサイトを作ることになりました。


蔵入りしていたポータルサイトを15年ぶりに探し出しました。
なんとOさんも制作メンバーの一人だったようです。
実際に農家のブドウやナシを売っていたようです。
残念ながら会社の利益が出ずに消えてしまったようです。







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打たなくても響く鐘

昨日のOさんの相談を受けて銀行を退職してR社に行った頃の日記を読み返しました。
何か病気にかかったように道を決めたようです。
ただMさんが一晩飲み屋に付き合ってくれて、「後悔だけはするな」と励ましてくれました。
その頃Mさんは銀行の専務になられて忙しい中、雪の降る中、昼から京橋のおっさんの店で別れの乾杯をしてくれました。


昼からFさんのところにインドのねいちゃんが来ます。
「ボスは昔に比べて肩の力が抜けていますね」
「そうかなあ」
「それはUさんもおっしゃってましたよ。昔は負けないぞ!がむき出しでしたよ」
Fさんがインドのねいちゃんに手ずお茶を入れています。
彼女は手書きの図面とデッサンを広げます。
「ほとんど手を入れないで行けそうですね。テーブルにこの生地を敷けばそれらしくなります」
「外装と内装に打ち合わせ通りの手を入れて150万でOKですわ」
Fさんが見積書を出します。ずいぶん話が進んでいるようです。
いっちょかみ娘が部屋に入ってきます。
「開店看板はお持ちのフイルムとブログを加工して30万ほどでできます。今朝クラウドに入れていただいたのでまずはアップしてみました」
パソコンを開いて見せます。
「凄い早い決断だね」
「もともと私は無謀な女と言われてましたからね。前の彼と別れてそのままインドに無一文で飛び出しましたから」
「憧れる!」
これはいっちょかみ娘と通じるものがありそうです。
「今朝主人の会社の同僚の娘さんに会ってアルバイトを頼んできました。メニューはこの後洋風居酒屋バルの社長に相談します。計画はボスにチェックいれてもらいます」
「昔通りだな」
「それで大ポカもするのですよ」
そうです。重要な書類を自宅に郵送してしまった事件もありました。あの時は上司として支店長に大目玉を食らいましたね。
そういう彼女ですからしっかり書類は見てあげないとと思うグランパです。
「1か月以内にはオープンを考えてます」
打たなくても響く鐘のようです。


夕方からネットでOさんと会った副会長のホームページを調べます。
それからそれに基づいて気になるところを東京の元R社のSOさんに会社情報を確認してもらいます。
今回のことはOさんにとって大きな転機になるような予感がします。





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